変わらないもの。変わりゆくもの。 造り手の魂が、心を動かす。
伝統だけではない。 そこに新しい感性を 注入することで はじめて、刺激的な 価値が生まれる。
伝統と革新、そのさじ加減。
開化堂の創業は1875(明治8)年。日本で最も古い手作り茶筒の老舗、と聞くと昔ながらの伝統工芸のようだが、創業当時は文明開化の時代。英国から輸入されるようになったブリキにいち早く注目した初代が、当時としては先進的な丸罐製造に京都の地で取り組み、その草分けとして現在に至る地位を確立したという歴史を持つ。
それから百数十年。5代目である父に「この仕事は継ぐな」と言われたにもかかわらず6代目を継いだ八木さんは、業種を超えた伝統工芸のプロジェクト・ユニット『GO ON』としての活動や、ミラノサローネへの出展などを通じて“茶筒”というプロダクトの可能性をさらに拡げようとしている。彼にも、初代から息づく開拓者精神は脈々と受け継がれているのだ。
一方、伝統を重んじる歌舞伎界に生まれ育ちながら、最近ではバーチャル・アイドル『初音ミク』との共演を試みるなど、ある種“型破り”な創造を厭わない獅童さん。しかしその舞台裏を、獅童さんは八木さんにこう語った。「(初音ミクとの)あの試みは新しいことをやっているようでいて、演技手法や衣装、お化粧など、実は古典の手法に則っているんです。伝統と革新とよく言いますが、そのバランス、さじ加減が本当に大事だと思います」。八木さんも応じる。「すごくよく分かります。次の代でも造り続けられるものを1個だけ残せたら、お前の代は成功だと思っている、と親父に言われたんです。それ以来、新しいことをしても良いけど、それが次の代の枝葉になるべきだ、というのはずっと意識しています」。
その言葉を聞いた獅童さんは、深く頷いた。
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新しいことをする。 それが、次の代の枝葉になるべき。
八木隆裕|YAGI Takahiro
株式会社開化堂代表取締役。1974年京都市生まれ。京都産業大学外国語学部卒業。2017年に社長に就任。1875年に創業し、日本で初めて金属製の茶筒を手掛けたといわれる開化堂の6代目として伝統を受け継ぎつつ、ミラノサローネをはじめとするイベントやワークショップなどを通して、その魅力を海外にも発信している。
ちゃんとチューニングしてあるけど、スパルタンになりすぎない。こんなモデルは、今までなかった。
中村獅童|NAKAMURA Shido
俳優・歌舞伎役者。1972年東京都生まれ。祖父は歌舞伎界の名門である、昭和の名女形と謳われた三世・中村時蔵。父は三世時蔵の三男・三喜雄。8歳の時に歌舞伎座にて初舞台を踏む。俳優としてテレビや映画でも活躍するほか、伝統的な歌舞伎とデジタルを融合すべく、バーチャル・アイドルの初音ミクと共演するなど、常に新しい挑戦をし続けている。