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ドライビングシミュレーションゲームを愉しむための完璧な装備。

ドライビングシミュレーションゲームを愉しむための完璧な装備。

記事を読むのに必要な時間:約7分
息を呑むせめぎ合い、フル・スロットルでのコーナリング、壮大なバトル・・・。カー・レースの話のように聞こえたら、まさにその通りです。正しくは、今話題の「ドライビングシミュレーションゲーム」。ここではドライビングシミュレーションゲームに興味のある方に役立つさまざまな情報をお届けします。

2020/8/24

アレキサンダー・シムズ ドライビングシミュレーションゲーム
ドライビングシミュレーションゲームは、モーター・スポーツ界への入口としても最適です
アレキサンダー・シムズ

フォーミュラEドライバー
BMW i アンドレッティ・モータースポーツ)

ドライビングシミュレーションゲームとは?

ドライビングシミュレーションゲーム、(SIMレーシング)とはバーチャル・カー・レーシングのことで、パソコンやゲーム機などで実際のカー・レーシングを精密にコンピュータ・シミュレーションされたものを言います。ここでは、それらを最大限に愉しむために必要なソフトウェおよびハードウェアについてご紹介しましょう。

ドライビングシミュレーションゲーム

ドライビングシミュレーションゲームの目的

ドライビングシミュレーションゲームについて断言できるのは、頭脳と感覚をフルに使うゲームであるということ。これらのバーチャル・レーシングによって、プレイヤーは極限にリアルな条件下でより高度なドライビング・スキルを習得することができます。同時に、それを大いに愉しむこともできます。現在、ゲーム上での体感が極めてリアルなものへと進化したことで、ドライビングシミュレーションゲームは実際のレーシング・ドライバーのトレーニング・ツールになっており、彼らの純粋な愉しみのひとつにもなっています。

ティモ・グロック ドライビングシミュレーションゲーム
シミュレーターは、一貫性と正確性を高める練習に適しています。ミスを侵さない、それがトップ・ドライバーの条件なのですから
ティモ・グロック

DTM・BMWファクトリー・ドライバー

最もオススメのレーシング・シュミレーターとは?

ドライビングシミュレーション

レーサーにPCやゲーム機で最高のレーシング・シュミレーターは何かと尋ねたら、実にさまざまな答えが返ってくることでしょう。どのレーサーにも、お気に入りのゲームがあります。しかし最も重要なのは、どのシミュレーターとどの機器を合わせて使うべきかということです。以下では、最も人気の高いシミュレーターやオプションについての概要をお伝えしましょう。

iRacing

Windows PC用のiRacingシミュレーターは、プロのレーシング・ドライバーから最高のトレーニング・ツールとしてよく紹介されています。iRacingは極めてリアルなドライビング体験を実現しているため、こうした評価も当然でしょう。ドライビングの物理特性、コース、ドライバーに対して定められる厳しいレース規定など、これ以上のリアルさはないほどです。さらに、iRacingが他のレーシング・シミュレーターと一線を画している点はその加入方法です。サブスクリプション料金を毎月支払うことで、バーチャルなドライバーズ・シートを確保することができます。さらにオプションで、追加のマシンやコースを購入することも可能です。

ジェシー・クローン ドライビングシミュレーションゲーム
そのリアルさに惹かれて、iRacingに決めました。もう何年もプレイしていますが、レーザー・スキャンされたコースは本当に素晴らしい。リファレンス・ポイントや路上のコンディションなど、トラックのあらゆる点を確認するできる点も気に入っています
ジェシー・クローン

BMW GTEドライバー

SIMレーシング iRacing

Assetto Corsa

iRacingと並んで人気が高いのは、Windows PC、PlayStation、Xbox用のAssetto Corsaで、リアルなドライビング感と幅広いドライビング・クラスが特徴です。PC版には、様々なレーシングを体験できるフリー・モードがあります。GTスポーツカーのファンなら、(PCのみで利用できる)Assetto Corsa Competizioneに夢中になるでしょう。これはGT3レーシング・クラスを対象とした、コンピュータと対戦できるエキサイティングなオンライン・レースです。

assetto corsa ドライビングシミュレーションゲーム
マーティン・クロンケ ドライビングシミュレーションゲーム
iRacingは他のシミュレーショターより少し高くつくのと、複雑すぎるという点で初心者には必ずしもお勧めしません。RaceRoom、rFactor 2、Assetto Corsaなどがより良い選択肢と言えるでしょう
マーティン・クロンケ

ドライビングシミュレーションレーサー

rFactor 2

rFactorとWindows PC用の次世代rFactor 2は、ドライビングシミュレーションゲームのプロの間でとても人気があります。主な理由は、洗練されたマシンとタイヤの特性です。このソフトウェアではトレッドの消耗、タイヤの摩耗、タイヤ温度におけるシミュレーションがほぼ完璧です。また、変化するトラック・コンディションもrFactor 2の大きな特徴のひとつです。ちなみに、このゲームの開発者がBMWと提携していることもあり、プレイヤーはバーチャル・コースで最新のBMW M2 CSを駆ることができます。

rfactorドライビングシミュレーションゲーム

RaceRoom

GTR 2の開発者が手がけたレーシング・シミュレーターRaceRoomは、ベーシック版が無料なので最も手軽にドライビングシミュレーションゲームを始められます。DTM、WTCC、GT Mastersなどの有名なレーシング・シリーズも購入が可能です。リアルなドライビング体験を楽しめますが、他のシミュレーションにあるような雨天走行や夜間走行などのゲーム機能はありません。初心者に最適というのが、我々の評価です。

マーティン・トムチェク ドライビングシミュレーションゲーム
殆どのレーシング・ドライバーが、自宅にシミュレーターを持っています
マーティン・トムチェク

BMW GTEドライバー

Automobilista

Automobilistaの物理特性はrFactor 2ほど詳細ではありませんが、ステアリングの応答性やトラック・コンディションの変化はいずれも十分にリアルです。スリップ・ストリームのシーンについては、以前の画像は決して良いものとは言えませんでしたが、完全にリニューアルされたAutomobilista 2ではグラフィックも大幅に向上しています。

Gran Turismo Sport & Forza Motorsport 7

ゲーム機を使ったレースを好むプレイヤーは、PS4のレーシング・シミュレーターGran Turismo Sportを選ぶとよいでしょう。Xbox Oneのユーザーには、Forza Motorsport 7がオススメです。どちらのレーシング・シミュレーターも、ドライビングの物理特性が簡略化されており、初心者でも気軽に楽しめるようになっています。Gran TurismoがFIA公認競技を含むシーズンごとのオンライン競技に重点を置いているのに対し、Forza Motorsport 7は、700種以上の収録マシンから好みの一台を選ベるのが特徴となっています。

ドライビングシミュレーションゲーム  Gran turismo

どのようなハードが必要?

パソコンか、ゲーム機か?

ハードウェアに関しては、結局のところ、どの程度コストをかけるかという点に行き着きます。ドライビングシミュレーションゲームを始める最も手頃な方法は、ゲーム機を購入することです。PlayStation 4とXbox One は約3万円から入手可能で、テレビとの接続も容易です。これらの機器にも間もなく次世代モデルが発売される予定です。一方、パソコンでこの種のゲームをするためには、高いデータ処理能力が求められます。レーシング・シミュレーターは特にグラフィックスに容量が必要となるため、最新のグラフィックス・カード(NVIDIA® GeForce® RTXやAMD Radeon RX)や最新のCPU(Intel i7やAMD Ryzen 7)を入手しなければなりません。

ドライビングシミュレーションゲーム  ドライビングシミュレーションゲーム 用ハンドル・コントローラー ゲーム用ハンドル・コントローラー

最適なハンドル・コントローラー

あなたのマシンで最大限の操作性を手にするには、PCまたはゲーム機専用のステアリング・ホイール(ハンドル・コントローラー)とペダルが必要です。キーボードやゲーム・パッドでは、リアルにゲームを愉しむことができません。ハンドル・コントローラー購入時に決め手となるのが、フォース・フィードバックです。内蔵された電気モーターにより、走行中のコースに応じてハンドル・コントローラーへのレスポンスを変える機能ですが、そのフィールの再現性の高さが、重要な鍵を握ります。

ドライビングシミュレーションゲームをあくまでも娯楽として愉しみたいだけなら、そこまで高価なハードウェアを買う必要はありません。マーティン・クロンケは「初心者にはLogitech G29かG920が最適でしょう。最も安価で使えるハンドル・コントローラーで、勝つための十分な性能も備えています」と語り、彼の仲間のマクシミリアン・ベネッケもこう続けます。「最初はLogitechかThrustmaster がいいと思います。自宅に机があれば、そこにハンドル・コントローラーを取り付けることができます。すでにノート・パソコンやデスクトップ・パソコンを持っている多くの人は、それですぐにシミュレーション・ゲームを愉しむことができます」。

Beitske Visser sim racing
ドライビングシミュレーションゲームを日々のトレーニングに使っています。ブレーキ・ポイント、ターンイン・ポイント、理想的なライン・トレースを学ぶのに役立ちます
ベイスク・フィッセール

レーシング・ドライバー

ドイツのFanatec社は、上級プレイヤー向けにパソコン、PS4、Xbox One用の幅広いハンドル・コントローラーをラインアップしています。中級者向けのものであれば、価格は約5万円です。同社ではBMWファンのために、BMWステアリング・ホイールの精巧なレプリカも発売しています。プロが使うのは比較的高価なダイレクト・ドライブ式のPC用ハンドル・コントローラーで、その名の通りダイナミックでダイレクトな操舵感が得られます。Fanatec、Simucube、Open Sim Wheel、SimXperienceの各社から、何十万の価格で入手できるモデルが発売されています。

コントロール装置でプレイヤーに過小評価されがちなのが、ペダルです。しかし実際は、高価なモデルほどリアルなフィールを体感でき、特にブレーキ・ペダルにその差が大きく出ると言われています。推奨するハードウェアには、Fanatec社のClubsport Pedals V3やHeusinkveld社のプロ用ペダルなどが挙げられます。

自宅でドライビングシミュレーションゲーム・コックピットをセットアップする方法は?

ドライビングシミュレーションゲーム・シート

多くの場合、ハンドル・コントローラーとペダルを机に正しく取り付けるのは困難です。そこで、SIMリグと呼ばれるレーシング・シミュレーター・コックピットが適切なセットアップに役立ちます。これは、ハンドルとペダル(そしてオプションのモニター)を安全に固定することができるレーシング・シミュレーター用シートです。Playseat社およびSimlap社では、金属製の実用的な一体型ソリューションやフォーミュラ1シミュレーターも提供しています。

初心者レベルであれば、通常のテレビ・モニターでも十分にドライビングシミュレーションゲームが愉しめます。しかし、ひとたびスキルが上がり始めると、レスポンスがより速く、周波数の高いモニターが欲しくなるでしょう。マーティン・クロンケは、好みによってワイド・スクリーン・モニターか3面スクリーンを組み合わせたセット・モニターの選択が可能だと語り、さらに説明を続けます。「27インチ・モニターの3面がベストだと思います。27インチより大きいと、高速に対応できない場合もよくありますから。私の場合、60ヘルツのモニターでは遅すぎると感じ、144ヘルツ以上のスクリーンを使っています」。

フィリップ・エング ドライビングシミュレーションゲーム
リグはSimlap社、コンポーネントはFanatec社のものを使っていますが、とても良い組み合わせです。しかし、本当に成功したければやるべきことはひとつ、ひたすら練習ありきです
フィリップ・エング

DTM・BMWファクトリー・ドライバー

VRでの没入体験

数年前、モニターに代わる画期的なアイテムが登場しました。VR機器です。多くのレーシング・シミュレーターが、このVR機器でもプレイできるようになったのです。Oculus社あるいはHTC Vive社のヘッドセットを使えば、プレイヤーはあたかもレーシング・コックピットに座っているかのような感覚を味わうことができます。しかし、これらの機器にも欠点があります。ひとつは、スクリーンが目の前にあるため解像度があまりにも低くなってしまうという点です。もう一つは、VR酔いと呼ばれる、乗り物酔いに似た症状を引き起こしてしまう可能性があること。プレイヤーは、VRを使い始めて最初の数回はこうした症状を体験することがあります。

マクシミリアン・ベネッケも、VRに関しては改善の余地があるとコメントしています。「VRでのレーシングをテストしてみましたが、まだまだといった印象です。あと数年はかかりそうですね。VRグラスを装着すると、常に何かおかしいという感覚があります」

最後に必要なものは?

適切なハードウェアとソフトウェアを手に入れれば、ドライビングシミュレーションゲームを始めることは簡単です。もちろん、バーチャルであってもトップ・スピードを出すには多くの練習が必要となりますが「シミュレーターを使えば、自分がさらに上のレベルのドライバーになれると分かっています」とフィリップ・エングが言うように、練習による成果も期待できます。

いずれにしても、自らのドライビング・スキルにさらなるレベルを求めるならば、ドライビングシミュレーションゲームのプロであり、YouTubeでも人気のジミー・ブロードベントのアドバイスに耳を傾けるべきでしょう(関連記事はこちら:レーシング・ゲームのプロに学ぶ、上達する10の秘訣 )。

記事:トーマス・ストゥクリック

BMW M サーキット走行プログラム

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