Q:まずはBMW 7シリーズの香りについて、ご説明ください。
A:ニュートラルな香りが基本です。インテリアによって微かにレザーの匂いを感じる素材もありますが、アンビエント・エア・パッケージでは好きな香りを10種類から選ぶことができ、そのすべてがレザーの香りと調和します。香りは5つのカテゴリーに分かれています。「Blue Suite」と「Green Suite」は爽やかな香りで「Golden Suite」と「Authentic Suite」は深みのあるウッディ系。そして今回、ニューBMW 7シリーズのための新たなカテゴリー「Amberblack Suite」が加わりました。
Q:新しい香り「Amberblack Suite」の特長は?
A:新たな2種の香りはいずれもオリエンタル系がベースで、それぞれをマスキュランな香りとフェミニンな香りにはっきりと分けています。「Amberblack Suite N°1」では、女性が好むラベンダーとローズを際立たせ、「Amberblack Suite N°2」は強くウッディな香りで男性的なニュアンスを表現しています。どちらもその香りをずっと纏っていたくなるようなバランスに仕上がっています。
Q:アンビエント・エア・パッケージが、ニューBMW 7シリーズでどのように機能するかをご説明いただけますか?
A:センター・コンソールのボタンを押すと、3つのモードで香りの強さを調整できます。
フレグランスは間隔をおいて噴射され、車内では継続的にその香りを楽しめるようになっています。しかし、このフレグランスの香料分子は大変軽いため、衣類に残るようなことはありません。
Q:フレグランス・デザイナーとパフューマーはどのように協力していますか?
A:例えば音楽では、創造的なヴィジョンを持って曲を生み出す作曲家がいて、その楽曲を解釈し多くの演奏家とともに再現する指揮者がいます。7シリーズの香りを作る工程もこれに似ていて、フレグランスのコンセプトを開発しどのように人間の感覚に作用させるかを考えるフレグランス・デザイナーと、実際にフレグランス分子を巧みに組み合わせて調和のとれた香りに仕上げるパフューマーによって生み出されます。最終的には、音楽も香りもそしてクルマも同様に、いかにして歓びの感覚をもたらすかが重要なのです。
Q:心地よさをもたらすために、フレグランスが重要なのはなぜでしょう?
A:ここ数年、ラグジュアリーなホテルやスパでも、独自のシグネチャー・フレグランスがデザインされるようになりました。香りには気分を高揚させ、血圧や心拍数を下げる効果もありますが、そもそも嗅覚はポジティブな感情や記憶と深い結びつきがあるのです。マルセル・プルーストはこう語っています。「幼少期、祖母は手作りのマドレーヌで私をもてなしてくれた。後になってこの菓子を食べる度、子供時代に愛され、守られ、大切にされた記憶へと時を遡るように感じたものだ」。これを「プルースト効果」と呼んでいますが、私たちはニューBMW 7シリーズの車内にもその効果を求めました。ドライビングの歓びとともに心を満たしたその香りは、忘れがたい記憶として残り、その香りを嗅ぐたびに幸福な感覚を呼び覚ますのです。
Q:個人的には、どのような香水を使っていますか?
A:常に嗅覚を研ぎ澄ませておくためにも、新しい香水を試すのは好きです。勤務中に香りを纏うことはしませんが、オフの時ならスパイシーでウッディなノート。フローラルやフルーティ系のものより、個人的にはより男性的で落ち着いた香りが好みです。