ドライブと音楽は、切っても切れない関係にあります。それはナビハ・イクバルにとって特別なフィーリングであり、誰もが共感できるフィーリングでしょう。この活気と期待に満ちたフィーリングから様々な感情が生まれ、新たな冒険が始まります。ナビハは、BMW ナイトライド・ロンドンのために書き下ろした曲に、このフィーリングを取り入れました。それは、彼女に「真の歓びは何かに没頭している瞬間に訪れる」という信念があるからです。
ナビハの曲は期待を表現しており、最初は穏やかに始まり、徐々に激しさを増していきます。それはまさに、アクセルを踏み込むごとに鼓動が激しさを増すような瞬間です。この曲は、活気あるロンドンの街にぴったりなだけでなく、ダイナミックなBMW 2シリーズにもふさわしい一曲に仕上がっています(➜ BMW ナイトライド・ロンドンについてはこちらをクリック)。
ナビハ・イクバルと彼女の作品は、特に「多面性」が特徴です。彼女は自分の音楽に、地球上の未開拓な場所のニュアンスを取り入れ、様々な要素が融合したハーモニーを生み出します。ナビハにはミュージシャン、プロデューサー、DJ、そしてラジオパーソナリティとしての顔があります。彼女が創り出す音楽は、電子ビートとギターやシタールなどの生楽器の間を行き来します。月に2回、ナビハはロンドンのラジオ・ステーションNTSから世界中に飛び出し、音楽を通じて体験した様々な文化や伝統を伝えます。
しかし、多面なのは彼女の音楽スタイルだけではありません。様々な異分野間のプロジェクトも彼女の作品となっています。ナビハは中国人アーティスト張丁とコラボしたり、テート・ギャラリーからの依頼を受けてターナー賞のための曲を作曲したり、バスキア回顧展の一環としてグループ・パフォーマンスに参加したり、量子物理学者でもあるビジュアル・アーティストとともに人工知能と音楽の関係性を研究するなど、多彩な活動を続けています。
パキスタン人の両親を持つナビハは、ロンドンの中心部で生まれ、文化的な多様性のある環境で育ちました。彼女の両親は早くから、ナビハの音楽的な才能を伸ばしてあげたいと考えていましたが、音楽のキャリアよりも、まずは大学での学業を優先しました。ナビハは歴史と民族音楽学で学士号を取得し、南アフリカの歴史研究で研究修士号(エムフィル)を取得したあと、法学部に転向しました。学業と並行して、彼女はますます音楽に強く関わるようになり、今では音楽が生活の中心になっています。
ナビハは現在、サマセット・ハウスのアーティスト・イン・レジデンスとして活躍しています。この18世紀の古典主義的建築であるサマセット・ハウスは、ひとつ屋根の下でともに創作や実験を行うアーティスト、デザイナー、思想家が集う場所となっています。ナビハは今、ここでセカンド・アルバムのレコーディングを進めています。
記事:Jelena Pecic;写真:Dennis Branko;クリエイティブ・ビデオ・プロデューサー: Noelani Dreksler;ビデオ・ディレクター:Joe Elliott