BMWが誇る、革新的な技術の1つが「ツイン・スクロール・ターボ」。一般的なターボチャージャーではタービンへ排気ガスを取り込む流路は1つです。ツイン・スクロール・ターボではそれを2つに分けることで、排気力が弱い低回転でも素早く、排気力が極めて強い高回転でも逃すことなく効率的にタービンを回転させる技術を取り入れています。
さらに吸気システムにはBMWが世界で初めて実用化した「バルブトロニック」を採用。従来、吸入空気量は吸気管のスロットル・バルブの開閉で調整することが常識でしたが、BMWは吸気の抵抗となるそのスロットル・バルブを廃止するという、画期的なアイデアを実現。シリンダー入口の吸気バルブの開度量を1/1000秒レベルで高精度に電子制御することで力強い爆発燃焼とダイレクトなレスポンスを両立。スポーティーな走りはもちろん、燃費の向上も果たしています。
こうして「ツイン・スクロール・ターボチャージャー」と「バルブトロニック」という革新的技術を複合的に活用することから“ツインパワー”と呼んでいます。これまでシングルタービンでは改善が難しいとされていたレスポンスや燃費の悪化をなくし、パワーを引き出しながらも燃費をも大幅に高める BMWの “Efficient & Dynamics”の哲学を体現しています。
BMWが目指しているのは、ドライバーの意志と直結しているかのような、操作に対してラグタイムのない、レスポンスのよいエンジンであること。引き出したエネルギーのすべてを、駆けぬける歓びの実現のために使い切る。そんな高効率かつ官能性に優れたツインパワー・ターボ・テクノロジーは、BMWのストイックなまでに徹底された走りの哲学の結晶なのです。