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赤ちゃんとの旅行をより安全に、リラックスして愉しむために

赤ちゃんとの旅行をより安全に、リラックスして愉しむために

記事を読むのに必要な時間:約17分
すぐにベビー・シートからずり落ちたり、長い時間泣き続けたり。赤ちゃん連れの長距離ドライブは何もかもが予測不可能で、少しも油断することができません。そこで、旅行中のストレスを最小限に抑えるために、車内にいるお子様をどのようにケアすべきかという質問にお答えします。

2020/7/3

パパやママは、わが子を誰よりも愛しています。しかし、リヤ・シートにいる不機嫌な赤ちゃんは、時おり両親を我慢の限界に追い込むことがあります。赤ちゃんの泣き声は80~120デシベルに達すると言われ、その音量は近づいてくる救急車のサイレンあるいは岩を打ち砕くロック・ドリルと同レベルです。さらにそこは、逃げ場のない車内空間。時に耳をふさぎたくなることもありますよね。これは赤ちゃん連れのドライブで多くの親たちが経験したことがあるでしょう。

この記事では、赤ちゃん連れの旅行に役立つTipsをご紹介しています。一時的に金切り声をあげることがあったとしても、愛しいのがわが子です。一緒に楽しくリラックスして目的地までたどり着けるよう、このガイドを参考にしてください。

お子様にとって、最も安全な場所は?

助手席、後部座席の中央または窓側 – お子様にとって最も安全な座席はどこでしょうか?BMWにおけるチャイルド・セーフティ部門のスペシャリスト、ジャスミン・ボーゼムが推奨するのは、助手席の後ろの座席です。その理由は、シートベルト・テンショナーが通常は後部座席の窓側に標準装備されていることと、駐車した際に縁歩道側となる座席で、交通の流れから離れてより安全にお子様を乗り降りさせることができるからです。この座席なら、お子様により安全にシートベルトを締めることができますし、万が一事故に遭遇した時も、運転席の後ろに比べて側面衝突の可能性が低いということも挙げられます。

一方、後部中央の座席では、シート・ベルト・テンショナーが装備されていることがほとんどありません。しかも、ベビー・シートを固定するためのISOFIXシステム(※リンク先は英語です。)が中央の座席に搭載された車両はごくわずかです。利点を挙げるとすれば、衝突事故の際のクラッシャブル・ゾーンが最も大きいことです。

お子様を助手席に乗せてもいいのでしょうか?

赤ちゃんが後部座席で泣きながら、運転中のあなたのもとへ来ようと必死になっています。こうなると何をしても無駄で、どう対処したらいいのか悩ましいことでしょう。最後の手段は、チャイルド・シートごとお子様を助手席に移動させて落ち着かせることですが、BMWでは助手席へのチャイルド・シートの取り付けを推奨していません。国や州によって規則は異なりますが、他国では後部座席が空いているのに子供を前席に乗せることは違法とされる場合もあります。また、統計的にみても、助手席は車内で最も安全性の低い場所でもあります。

また、親が子供を横目で見ながら運転するのはとても危険です。運転者として、あなたにはご自身とお子様の安全を守る責任があります。決してお子様に気を取られるようなことがあってはなりません。

イラスト 車内にいる赤ちゃん 車内にいる子供

チャイルド・シートを購入する際のポイントは?

ベビー・カーを選ぶ時、多くの時間と労力を費やした人もいるかもしれません。そして、それと同じことが適切なチャイルド・シート選びでも起きることも。ここではその負担を少しでも軽くするためのアドバイスをご紹介します。

- ベビー・シート
赤ちゃんの誕生は、パパやママにとってまさに人生最高の瞬間のひとつですよね。そして、この新しい家族のためにあなたが用意すべきもののひとつが、チャイルド・シートです。日本の道路交通法では、6歳未満の幼児まではチャイルド・シートが必要とされています。

チャイルド・シートは、安全基準i-Sizeに準拠し、生後15か月までで体重が13kg以下の赤ちゃん用に後ろ向きに取り付けるタイプのベビー・シートから始まります。しかし、ここでボーゼムが推奨するのは、「お子様を乗せて走る時は、できるだけ後ろ向きにすること」という法律で定められた規定を超えるものです。

- 前向きのチャイルド・シート
世の中にはさまざまなチャイルド・シートがありすぎて、どれを選べばよいか困惑するかもしれません。簡単に言えば、身長、年齢、体重次第。チャイルド・シートには、汎用チャイルド・シートと準汎用チャイルド・シートの2つの種類があります。

汎用チャイルド・シートは、車両のシートベルトまたはトップ・テザー・アタッチメント(※リンク先は英語です。)とLATCH/ISOFIXを使用して取付けるのに対し、準汎用チャイルド・シートはLATCH/ISOFIXの取り付け具のみで固定します。

米国では米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)がチャイルド・シート着用に関する4つの段階認めており、(※リンク先は英語です。)それは最も年齢の低いユーザーから最も高いユーザーまで、次のように分類されます:後ろ向きのチャイルド・シート、前向きのチャイルド・シート、ブースター・シート、シートベルト(チャイルド・シートなし)。

チャイルド・シートがあなたの車に最適なものであるかどうかは、車内でのシート・テストでのみ確認することができます。
ジャスミン・ボーゼム

BMWチャイルド・セーフティ部門マネージャー

国際的に言えば、多くの国が国連欧州安全基準 ECE-R44 を採用しており、これはチャイルド・シートを次のクラスに分類しています:

  • クラス0:10 kg(9か月以下)
  • クラス0+:13 kg(18か月以下)
  • クラス1: 9~18 kg(4歳以下)
  • クラス2: 15~25 kg(7歳以下)
  • クラス3: 22~36 kg(7歳以上)

チャイルド・シートの安全性、装着性を高めるために、世界共通の安全規格として開発されたISOFIX(共通取付具)の使用を義務づけている欧州の新基準i-Size(ECE-R129)では、子供とチャイルド・シートを合わせた重量が33kgを超えてはならないと定められています。

- ブースター・シート
チャイルド・シートをブースター・シートに変更すべき時期ならびにブースター・シートが不要になる時期は地域によって異なります。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、成長してチャイルド・シートが小さくなった子供でも身長が1.45mを超えていない限り、8歳になるまでのブースター・シートの使用を推奨しています。(※リンク先は英語です。)欧州および英国では、身長が1.35mになるまで、子供はブースター・シートを使用する必要があります。

側面衝突時にも子供を最大限に保護するため、バック・レスト付のブースター・シートの使用が推奨されています。

- 購入について
ご存知でしょうか?生まれてから12歳になるまで私たちが子供に費やす金額は、平均約1,000万円ともいわれています。安全に直結するチャイルド・シートは決して安く済ませてはならない大切なものです。

チャイルド・シートは状態がよく、基準に適合するものを選ぶべきです。

「チャイルド・シートがあなたの車にとって最適なものであるかどうかは、車内でのシート・テストでのみ確認することができます」と、ジャスミン・ボーゼム( BMW チャイルド・セーフティ部門:開発スペシャリスト)は説明します。それは、チャイルド・シートが車両の寸法に適合するかどうか、およびシートベルトが届きやすい位置にあるかどうかを知るための唯一の方法です。これらの点を確認したら、お子様をシートに乗せて試すこともできます。

チャイルド・シートを正しく取り付ける方法は?

そんなの簡単?本当にそうでしょうか。英国のある研究で、約60%のチャイルド・シートが正しく取り付けられていないことが明らかになっています。(※リンク先は英語です。)多くの人々にとって、取扱説明書を読むのは電話帳を読むのと同じくらい退屈なものです。しかし、チャイルド・シートについてだけは、取扱説明書の記載に従う必要があります。

以下の項目は、正しく取り付けるための重要なポイントです。

  • 生後15か月まで、あるいは体重が13 kg以下の子供は、後ろ向きに取り付けるベビー・シートに乗せる必要があります。
  • チャイルド・シートは、車両に装備されているシートベルトまたはISOFIXを使って車両に取り付けます。このシステムの利点は、迅速で使いやすいことですが、LATCH/ISOFIX固定具はすべての車両に装備されているものではありません。
常に快適さより安全を優先しなくてはなりません。
ジャスミン・ボーゼム

BMW チャイルド・セーフティ部門 開発スペシャリスト

お子様の体をしっかりとシートに固定する方法は?

小さな子供を持つ親にとって、旅のストレスはもはや代名詞ともいえるかもしれません。これを少しでも軽減させるためには、出発前にお子様の身体を正しくシートに固定させることが必要です。「常に快適さより、安全を優先しなくてはなりません」と BMW チャイルド・セーフティ部門 開発スペシャリストのジャスミン・ボーゼムは語ります。そして専門家たちは、安全面のアドバイスを次のように示しています:

  • ベルトは、常にぴったりフィットしていなくてはならないため、お子様に厚手のを着せたまま装着すべきではありません。冬用の上着やスキー・ウェアなどは、発車前に脱がせてください。
  • この場合のフィットとは、広げた状態の手のひらだけがベルトと身体の間に入る、つまりそれ以外は入らないことを意味します。お子様がベルトを脇の下へスライドさせることができないよう注意してください。
  • 特に、肩の部分では、シートベルトの取り回しをお子様のサイズに合わせることを忘れないでください。ラップ・ベルトは緩すぎてもいけません。
  • 走行中にお子様が車外に出ようとした場合に備えて、後席ドアにチャイルド・ロックをかけてください。

お子様のベルトを外した後は、締めた時と同じぐらいの注意が必要です。車から離れる際は、必ずお子様を一緒に連れて行ってください。夏は特に要注意で、車内の温度が外気温や直射日光の影響で急上昇する恐れがあります。ウインドーを少し開けていたとしても、安心してはいけません。その上、子供は大人よりも汗をかく量が少ないため、体温が早く上昇し、場合によっては命が危険にさらされる可能性もあります。

イラスト 赤ちゃん連れの長距離ドライブ 車内にいる子供

赤ちゃんはどのくらいの間ベビー・シートにいることができますか?

どんなに離れて暮らす友人や家族に紹介したくても、生まれてまもない赤ちゃんを連れて遠くへ行くことはお控えください。生後3か月までの間はご自宅かご自宅近くで穏やかに過ごし、赤ちゃん連れの長距離ドライブは計画しないでください。赤ちゃんの筋肉がまだ弱過ぎて、ドライブ中の車内で受ける衝撃を吸収できないため、一度に2時間以上続けて走行するのは控えましょう。生後3か月を過ぎると、赤ちゃんの身体は長いドライブにも次第に耐えられるようになります。しかし、ドライバーにもかなりの負担がかかる可能性があることをお忘れなく。こまめに休憩をとり、その都度赤ちゃんをベビー・シートから降ろす必要があります。

お子様とドライブを愉しむためのコツは?

「もうすぐ着く?」お子様から何度も繰り返し聞かされることになる言葉です。教育者ならば、子供たちが退屈しても運転の邪魔をしないよう学ばせるべきだと言いますが、そう簡単にはいきません。赤ちゃんが泣いたり、子供が駄々をこねることは、運転者にとってストレスとなります。ですからこれを防ぐのは、安全面でも大きな鍵を握ることになるのです。金切り声を上げている子供は、窮屈だ、退屈だ、ママやパパのところへ行きたい、と思っています。そんな彼らをなだめる魔法は、何かないのでしょうか?あります!エンターテイメントです!子供たちも赤ちゃんも、楽しいことが大好きなのです。ここでは、彼らを笑顔にするためのいくつかのヒントをご紹介しましょう。

  • おもちゃを常に手元に置いておくこと。できれば、無駄な停車を避けるため、短い紐などでチャイルド・シートに取り付けておきましょう。お子様のお気に入りの人形やロボットも忘れないでください。うっかり忘れると、途中で引き返すはめになるかもしれません。
  • 車内専用のおもちゃもいくつか用意しておいてください。これがあると、お子様は旅行を毎回楽しみにするようになるでしょう。
  • 家族全員が車内で一緒に楽しめるゲームもたくさんあります(しりとりや、ナンバープレートを使った数字遊びなど)。
  • 乗り物酔いをしないお子様や、渋滞時の揺れが少ない状況では、タブレットや絵本、お絵かきセットなどもお子様を夢中にさせるのに最適です。
イラスト 赤ちゃん連れの旅行 赤ちゃん連れの旅行

お子様が乗り物酔いをした場合の対処法は?

泣き言よりももっと大変なものを、お子様が吐き出してしまうこともあります。前夜の夕食で食べたものをすべてチャイルド・シートに嘔吐してしまったら?もちろん掃除も厄介ですが、何よりも子供の体調が心配です。乗り物酔いをするのは、通常2歳ぐらいからと言われています。バランス感覚が十分に発達し、座っていることと車が動いていることの違和感を身体が認識するようになった時に始まります。ドライブの際は、常にビニール袋と携帯用ウェット・ティッシュを用意しておいてください。しかし、旅行のたびに車内を掃除しなくて済むようにするにはどうすればよいでしょうか?

乗り物酔いを避けるアドバイス:

  • 夜間、またはお子様が通常寝ている時間に走行する。眠っている子供が嘔吐することはありません。
  • 運転の仕方を調整する。カーブを曲がる時はスピードを落とし、急ブレーキを踏まないようにするだけでも、車内を汚れから救うことができます。
  •  子供が何か食べている時は、駄々をこねることもなく、没頭しています。 とは言え、お腹いっぱいまで食べ物を与える必要はありません。一日の終わりにお腹がいっぱいになっていることの方が問題です。
  • チューイング・ガムは、大人の吐き気を抑えるのに役立つことがあります。しかし、小さな子供には危険が伴う場合もありますので、チューイング・ガムを与えるのは、控えた方がいいでしょう。
  • 本やタブレットを見ている子供は、外の景色に目がいかなくなります。乗り物酔いしやすい子供のために、面白いオーディオ・ブック(聴く本)を1つか2つ用意しておくのもおすすめです。

車に載せておくと役立つアイテムは?

ベビー・シートやチャイルド・シートの他にも、車内で役に立つアイテムがたくさんあります。特に夏は、車内の赤ちゃん用のサン・シェードが欠かせません。チャイルド・シートによる凹みからシートを守りたい場合や、前席バック・レストの裏側を食べ物などの汚れから保護したい場合には、バックレスト・カバーおよびチャイルド・シート保護マットなどがこれを解決します。また、赤ちゃん用のルーム・ミラーも人気がありますが、あまりお勧めはしていません。後部座席の背もたれに取付けることで、後ろ向きのベビー・シートにいる赤ちゃんの様子を見ることができますが、ドライバーの注意を前方から逸らす恐れがあるという安全上の理由からです。

記事:ニールス・アーノルド;イラスト:ゾーハル・レーザー

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