BMWは開発段階において、最新のコンピュータを用いて解析を行いステアリングの正確性を厳しくチェックしています。設計上は満足のいく性能を実現していてもエンジンやタイヤ毎に微妙な違いがでるため、ひとつひとつチューニングを施します。そのパターンは、例えば新型4シリーズでは11にも及びます。
そして、これらの数値データには現れない、感覚的な部分を補う際は、人間の出番です。熟練のテストドライバーが、自分のお尻(ドイツ語の口語で『Popo』)で繊細な挙動を感じ取り、細かな調整を行うのです。タイヤ→サスペンション→ボディを経由しシートを介して伝わるニュアンスを感じる“Popometer(ポポメーター)”なしで、BMWが理想とするハンドリングは実現できないのです。
BMW特有のハンドリングを妥協なく追求するために、テストドライバーたちは雨の日も風の日も、とことんテストコースを走り込みます。最新の設計技術と熟練のマイスターの経験と勘を融合させることで、BMWがたいせつにしている“駆けぬける歓び”は、すべてのモデルに具現化されている、というわけなのです。